酸性ストレートとカラーは同日にできる?
最適な順番と色落ちリスクを解説
「酸性ストレートで髪をキレイにしつつ、ヘアカラーも楽しみたい」
「忙しいから、できれば同日(同じ日)に施術を済ませたい」
そのように考える方は非常に多いと思います。
しかし、酸性ストレートとヘアカラーは、髪にとっては変化を伴う施術です。本当に同日に施術しても大丈夫なのでしょうか?
- 「色落ちしない?」
- 「ダメージは?」
- 「もし同日にするなら、最適な順番は?」
この記事では、サロンの視点から、酸性ストレートとカラーの同日施術について、その「結論」と「推奨される順番」、「知っておくべきリスク(注意点)」を詳しく解説します。
1. 結論:酸性ストレートとカラーの同日施術は「非推奨」なサロンが多い
まず結論からお伝えすると、お客様の髪の健康を第一に考えた場合、酸性ストレートとヘアカラーの同日施術を「積極的には推奨しない」サロンが多いです。
主な理由は2つあります。
理由①:髪への「pH(ペーハー)」の変動による負担
髪の毛は「弱酸性」の状態で最も安定しやすいとされています。「酸性ストレート」はこの領域で作用しますが、ヘアカラー(おしゃれ染め・白髪染め)の多くは「アルカリ性」です。
同日に「酸性」と「アルカリ性」という異なる性質の薬剤を使用すると、髪は急激なpHの変化にさらされ、キューティクルや内部に大きな負担がかかる可能性があります。
理由②:カラーの「色落ち」リスクが非常に高い
どちらを先に行うか(順番)にもよりますが、薬剤や熱の影響で、せっかく入れたカラーが流出・変色してしまうリスクがあります。
2. 酸性ストレートとカラーの最適な「順番」は?(もし同日なら)
上記の理由から慎重な判断が必要ですが、髪の状態が良好であること、リスクをご理解いただけることなどを条件に、同日施術を行うケースもあります。 その場合、推奨される「順番」は明確に決まっています。
【推奨】
- 酸性ストレート
- ↓
- ヘアカラー
まず酸性ストレートで髪のクセをしっかり伸ばし、ベースの状態を整えます。その後、一度薬剤をリセットしてから、ヘアカラーの施術に入ります。
【非推奨】
- ヘアカラー
- ↓
- 酸性ストレート
絶対に避けるべき順番です。先にカラーをすると、その後の酸性ストレートの薬剤(酸性領域)とアイロンの熱によって、カラー色素がほぼ確実に分解・流出してしまいます(特にアッシュ系などは顕著です)。
3. 同日施術で覚悟すべき3つのデメリット(リスク)
推奨される「ストレート → カラー」の順番で行ったとしても、以下のデメリット(リスク)は必ずご理解いただく必要があります。
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① 髪への負担(ダメージ)
順番を守ったとしても、短時間のうちに2回分の薬剤施術を行うことに変わりはありません。健康に見える髪であっても、相応の負担(ダメージ)がかかることを想定する必要があります。
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② 施術時間が非常に長くなる
酸性ストレートだけでも約3〜4時間、そこにカラーリングの時間が加わるため、合計で5時間〜6時間以上かかることも珍しくありません。長時間のサロン滞在が必要になります。
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③ 質感への影響
ストレートを先に施術しても、その後のカラー施術で髪が再度アルカリ性に傾くことで、酸性ストレートの定着や質感に何らかの影響が出る可能性はゼロではありません。
4. 理想は「別日」施術。おすすめの期間は?
髪への負担を最小限に抑え、ストレートもカラーもそれぞれの仕上がりと色持ちのク クオリティを最大限に高めるための「理想」は、「施術日を空ける」ことです。
【理想のプラン】
- Step 1 まず「酸性ストレート」で髪のベース(クセ)を完璧に整えます。
- Step 2 1〜2週間程度おいて、髪の状態(pH)が安定したのを見計らってから「ヘアカラー」を行います。
これにより、それぞれの施術が干渉しあうことを避け、ダメージを分散させ、両方の仕上がりを高めることができます。
5. 酸性ストレートとカラーに関する「よくあるご質問」
Q. ストレートの後、カラーまで最低何日空ければいいですか?
A. 理想は1〜2週間ですが、髪の状態やサロンの方針によります。最低でも1週間は空けることを推奨するサロンが多いです。
Q. なぜカラーを先にしてはいけないのですか?
A. 酸性ストレートの施術工程には、薬剤塗布後の「アイロン操作」が含まれます。カラー色素は熱に弱く、また酸性の薬剤によっても分解されやすいため、先にカラーをすると、ほぼ確実に色落ち・変色してしまいます。
Q. 同日施術の場合、料金や時間はどれくらいかかりますか?
A. あくまで目安ですが、池袋エリアでは酸性ストレート(20,000円~)+フルカラー(8,000円~)で、合計28,000円~となるケースが多いです。時間も前述の通り5~6時間以上を見込む必要があります。