酸性ストレートのデメリットとは?
メリットや縮毛矯正との違いを解説
最近、髪質改善メニューとして「酸性ストレート」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。
- 「従来の縮毛矯正と何が違うの?」
- 「本当にダメージが少ないの?」
- 「自分に向いているか知りたい」
など、多くの疑問をお持ちかもしれません。
酸性ストレートは、従来の縮毛矯正とは異なり、ダメージ毛にも対応できる可能性がありますが、正しく理解していないと「失敗」や「思ったよりクセが伸びない」といった落とし穴もあります。
この記事では、サロンの視点から「酸性ストレートとは何か」、その「メリット」と「デメリット」、そして「向いている人・いない人」について、わかりやすく解説します。
1. 酸性ストレートとは?従来の縮毛矯正との違い
「酸性ストレート」とは、その名の通り、髪や肌の状態に近い「弱酸性」の領域(pH4.5〜5.5付近が目安)で作用する薬剤を使用してクセを伸ばすストレート技術です。
従来の縮毛矯正(アルカリ矯正)との最大の違いは、この「pH(ペーハー)」にあります。
| 特徴 | 従来の縮毛矯正(アルカリ性) | 酸性ストレート(弱酸性) |
|---|---|---|
| 使用する薬剤 | アルカリ性の薬剤 | 弱酸性の薬剤 |
| 髪への作用 | キューティクルを開かせて(膨潤させて)浸透させる | キューティクルを過度に開かせずに作用する |
| メリット | クセをしっかり伸ばす力が期待できる | 髪への負担を抑えながらクセを伸ばすことを目指せる |
2. 酸性ストレートの主なメリット
酸性ストレートが支持される理由、その主なメリットをご紹介します。
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メリット①:ダメージに配慮した施術が可能
大きなメリットの一つは、アルカリによる髪の膨潤ダメージを避けられるため、髪の体力を考慮しながら施術を進められる点です。
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メリット②:ブリーチ毛やハイダメージ毛にも対応できる場合がある
従来の縮毛矯正では「ダメージがひどいから」と施術が難しかったケース(ブリーチ毛、ハイトーンカラー、エイジングによる細い髪など)でも、酸性ストレートなら施術できる可能性があります。(※ただし、髪の状態によります)
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メリット③:仕上がりが自然な質感になりやすい
従来の縮毛矯正で感じられることのあった「ピン」とした硬い仕上がりではなく、地毛に近いような自然で柔らかい手触りを目指せるのも魅力です。しなやかなストレートヘアを好む方に向いています。
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メリット④:髪に「艶(ツヤ)」が出やすい
弱酸性の薬剤には、髪のキューティクルを引き締める(収れんさせる)働きが期待できます。キューティクルの表面が整うことで光が均一に反射し、艶が出やすくなります。
3. 知っておきたいデメリット(注意点)
魅力的な酸性ストレートですが、必ず知っておいてほしいデメリット(注意点)も存在します。
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デメリット①:高度な技術と毛髪診断が必須
酸性ストレートは、その人の髪質に合わせて薬剤やアイロン温度などを細かく調整する必要がある、繊細な技術が求められる施術です。 もし、この診断や技術が髪質と合致しないと、「クセが伸びなかった」「逆に髪が硬くなった」といった失敗につながるリスクも伴います。
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デメリット②:非常に強いクセは伸びきらない場合がある
薬剤のパワーとしてはアルカリ性に比べて穏やかな傾向があります。そのため、非常に強いクセ(例:強く縮れるようなクセ)の場合、一度で完全に伸ばしきれない、またはアルカリの縮毛矯正の方が適していると判断される場合があります。
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デメリット③:施術時間が長くなる傾向がある
薬剤を髪に優しく浸透させていくため、従来の縮毛矯正よりも施術時間が長くなる傾向があります。(目安:3~4時間程度)時間に余裕を持ったサロン予約が必要です。
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デメリット④:カラーの色落ち・色抜けが起こることがある
施術の過程で、ヘアカラー(特にアッシュ系など)が少し明るく(色落ち)してしまう可能性があります。カラーも同時に検討している場合は、施術の順番などを美容師としっかり相談することが重要です。
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デメリット⑤:料金が高めの場合がある
使用する薬剤や施術の難易度、施術時間の長さから、従来の縮毛矯正よりも値段(料金)が高めに設定されているサロンが多い傾向にあります。
4. 酸性ストレートが向いている人・向いていない人
メリット・デメリットを踏まえ、どのような人に適しているか(いないか)の目安をまとめます。
◎ 向いている人
- ブリーチやカラーを繰り返しており、ダメージが気になる方
- エイジング毛(加齢により細くなった髪)で、ハリや艶が欲しい方
- ピンと真っ直ぐすぎる仕上がりより、自然なストレートが好きな方
- 弱いクセ~中程度のクセを、ダメージを抑えて伸ばしたい方
△ 向いていない可能性がある人
- 非常に強いクセ(強く縮れるようなクセ)を、一度でしっかり伸ばしたい方
- とにかく施術時間を短く、料金を安く抑えたい方
- 髪のダメージが全くない健康毛で、しっかりクセを伸ばしたい方(アルカリ矯正の方が適している場合があります)
5. 酸性ストレートに関する「よくあるご質問」
Q. 酸性ストレートで「失敗」する主な原因は何ですか?
A. 最も多いのは「毛髪診断のミス」です。髪のダメージレベルを見誤って強すぎる薬剤を選んだり、逆にクセの強さに対して薬剤が弱すぎたりすると、「髪が傷んだ」「クセが伸びない」という結果につながりやすいです。信頼できるサロン選びが非常に重要です。
Q. 値段(料金)の目安はいくらくらいですか?
A. サロンによって大きく異なりますが、池袋エリアでは20,000円~30,000円程度(カットやトリートメント込の場合)が一般的な相場となり、従来の縮毛矯正より数千円~1万円程度高い傾向があります。
Q. 施術の頻度(持ち)はどれくらいですか?
A. 一度施術した部分のストレート効果は半永久的に持続します。ただし、根元から新しいクセ毛が生えてくるため、髪の長さやクセの強さにもよりますが、4ヶ月~半年に一度のメンテナンス(リタッチ)を推奨しています。