酸性ストレートと縮毛矯正の違いは?
どっちがいいか髪質別に比較
「酸性ストレート」と「縮毛矯正」、どちらも髪をまっすぐにするメニューですが、その「仕組み」や「仕上がり」が異なることをご存知でしょうか?
- 「髪を傷ませたくないから、酸性ストレートが良いと聞いた」
- 「私の強いくせ毛は、どっちがキレイに伸びるの?」
- 「結局、自分にはどっちが合っているの?」
最近、特に「酸性ストレート」が注目されているため、こうした疑問を持つ方が非常に増えています。
この記事では、まず2つの違いを1分で解説した動画をご覧いただき、その後、サロンの視点から2つの技術の「根本的な違い」「メリット・デメリット」、そして「あなたに最適な選び方」を詳しく解説します。
1. 動画で1分!「酸性ストレート」と「縮毛矯正」の違い
まずは、2つの施術の主な違いを1分でまとめた動画をご覧ください。 この記事は、この動画の内容をさらに深く掘り下げた「詳細解説」となります。
2. 根本的な違いは「薬剤のpH(ペーハー)」
動画でも触れたように、2つの技術の最大の違いは、使用する薬剤の「pH(ペーハー)」にあります。 髪の毛は、肌と同じ「弱酸性(pH4.5〜5.5)」の状態で最も安定し、キューティクルが引き締まった状態を保ちやすいとされています。
従来の「縮毛矯正」= アルカリ性
従来の縮毛矯正の多くは「アルカリ性」の薬剤を使用します。アルカリの力で髪のキューティクルを「開く(膨潤させる)」ことで、髪の内部まで薬剤を浸透させ、クセの原因である結合を切断しやすくします。
- 特徴: パワーがあり、クセをしっかり伸ばす力が期待できる。
- 懸念点: 髪をアルカリ性に傾けるため、キューティクルに負担がかかりやすい。
「酸性ストレート」= 弱酸性
一方、酸性ストレートは、髪が安定しやすい「弱酸性」の領域で作用します。キューティクルを過度に開かせずに薬剤を優しく浸透させ、結合をゆるやかに整えます。
- 特徴: 髪への負担(ダメージ)を抑えやすい。
- 懸念点: 薬剤のパワーが比較的穏やかである。
3. メリット・デメリット徹底比較(まとめ表)
2つの違いを、メリット・デメリットとして表にまとめます。(※評価は一般的な傾向を示すものです)
| 比較項目 | 従来の縮毛矯正 | 酸性ストレート |
|---|---|---|
| 主な薬剤 | アルカリ性 | 弱酸性 |
| クセを伸ばす力 | ◎ 強い (強いクセ毛・太い髪も伸びやすい) |
△ 穏やか (強いクセは伸びきらない場合がある) |
| 髪への負担 | △ 大きい傾向 (アルカリ膨潤によるダメージ) |
◎ 少ない傾向 (弱酸性でキューティクルへの負担が少ない) |
| 仕上がり | シャープで硬め (ピンとした直毛感) |
自然で柔らかい (地毛のような質感) |
| 施術の可否 | ハイダメージ毛、ブリーチ毛は困難 | ハイダメージ毛、ブリーチ毛も施術可能な場合が多い |
| 得意な髪質 | 健康毛、クセが非常に強い髪 | ダメージ毛、ブリーチ毛、細毛、エイジング毛 |
4. 【髪質・目的別】あなたはどっち?選び方の目安
「結局、どちらを選べばいいの?」と迷われるかもしれません。 「どちらが優れている」のではなく、「あなたの髪質と目的に、どちらが適しているか」を考えることが重要です。
「従来の縮毛矯正」がおすすめな方
- とにかくクセが強く、一度でしっかり伸ばしたい
- 髪が太く、健康な(ダメージが少ない)状態
- 地毛のような自然さより、「ピン」としたストレート感が好き
「酸性ストレート」がおすすめな方
- カラーやブリーチによるダメージが気になる
- 髪が細い、またはエイジングでデリケートになっている
- ピンピンにならず、 あくまで自然な仕上がりにしたい
- クセはそこまで強くないが、パサつきや広がりを抑えたい
6. 酸性ストレートと縮毛矯正の「よくあるご質問」
Q. 値段(料金)はどちらが高いですか?
A. サロンによりますが、「酸性ストレート」の方が高い傾向にあります。使用する薬剤が高価であることや、施術の難易度が高く時間がかかるためです。
Q. 施術時間はどっちが長いですか?
A. 「酸性ストレート」の方が長くなる傾向があります。薬剤を優しく浸透させるため、薬剤の放置時間が長くなることが多いです。どちらも3時間~4時間程度が目安ですが、髪質によります。
Q. 酸性ストレートは本当にダメージが無い(傷まない)のですか?
A. 「全く傷まない」わけではありません。薬剤を使用し、高温のアイロンを通す以上、髪への負担はゼロではありません。ただし、アルカリ性の縮毛矯正と比較した場合、「ダメージを大幅に抑えられる」というのが正確な表現です。